Natalie Merchant

僕の大好きなアーティストの一人です。
というより最も好きな女性アーティストと言ってもいいです。


多分日本での知名度はかなり低いと思うので簡単に紹介しておきますと、
ニューヨーク州出身で学生時代に10,000maniacsというバンドを結成しヴォーカルを担当、
1984年にメジャーデビューを果たし、5枚のアルバムを発表しますが、1993年に脱退しソロ活動に入ります。
ソロデビュー後はこれまでに5枚のアルバムとベスト盤、ライヴ盤を各1枚づつ発表しています。
(日本のファンサイトを参照しました→http://www.geocities.jp/nataliemaniacs/
(ちなみに公式サイトはこちら→http://www.nataliemerchant.com/


そんな彼女の5枚目のアルバムLeave Your Sleepが最近リリース(7年ぶり)されたので早速今日買いました。
今回のアルバムが2枚組みということは事前に把握していたので、値段は覚悟していたのですが、CDで\3000越えは貧乏音楽家には辛いです。
でも中を開けると、これで\3000は安いと思い直しました。
外側は厚紙のケースで彼女のポートレートが表紙を飾っていますが(↓参照)



中が(↓参照)



というとても美しい装丁でしかもCDブックみたいな厚さ。(この装丁かなり気に入ってます)
開いて中を見るとまずはタイトルの由来となったマザーグースの詩の引用、
そして彼女自身によるこのアルバムの解説のようなものが。
そしてその後は今回使用した詩全文とその詩や詩人についての情報や自分なりの印象や意見を述べたものが詩人の写真付きで載っています。
最後のクレジットまで含めると50ページ近くはありそうです。
今回輸入盤を買ったのですが、これは日本盤を買うべきだったかも、とちょっと後悔。


音楽の内容はというと、前作「The House Carpenter's Daughter」に顕著だったFolk music(いわゆるフォークソングではなく民謡やトラディショナルソングの類)的傾向を踏まえつつ、さらに広がりと深化を感じさせるような印象を持ちました。


まず使われている楽器がとても多彩です。1曲目ではアイリッシュバンドでとても高い人気と実力を誇るLunasaが加わっています。(正確にはLunasaがバンドの中核で、ストリングスが後半加わるという編成です。Lunasaは他にも何曲か演奏しています。)
2曲目はオーケストラをバックに、3曲目ではカントリーバンドをバックに歌っています。さらに4曲目ではウィントン・マルサリスが自身のカルテットを率いて参加しています。他にもコーラスグループがいたり、中国の民族楽器、二胡、笛子(ディーズィ)、琵琶(ピーパ)があるかと思えば、西洋バロック音楽の楽器が使われていたり(特にリコーダーが印象的)と本当に多彩です。
楽曲アレンジ自体はとてもシンプルで素朴なのですが、それぞれが持ち味を生かしていて聴き応えは十分です。
曲調は物語的というか、ある種のおとぎ話的なものを感じさせるものが多く、聴き手の想像を膨らませるような豊かな世界があります。
楽器の種類の多さは、今回のアルバムの世界の豊かさを象徴しているかもしれません。
個人的には2枚目の6曲目以降から久々に音楽聴いて泣きそうになりました。


彼女について特に僕が気に入っているのはその声です。
太すぎず細すぎず、不思議な落ち着きがあって、暖かく、そこはかとない悲しさがありつつ、芯の強さも秘められていて、僕にとって理想的な声といってもいいくらいです。


今年はSarah McLachlanの新譜も出るみたいですし、実は1月にPatty Griffinの新譜も出ていたようなので(購入検討中)、女性アーティストの豊作年になりそうな予感がします。(男性陣ではWilcoの新作がとてもよいです。あ、でもこれは去年発売だった。ライヴ行きたかった…。あとジャンルが全然違いますがAutechreの新譜も美しくてよかったです。)


ちなみに気になっているけどまだ買っていないのがFlaming Lipsの新作(今度なんとPink Floydの「狂気」のカヴァーアルバムが出る!)とJim O'RourkeプロデュースによるBurt Bacharachトリビュート・アルバム(なんと相対性理論のVoやくしまるえつこ女史が参加。試聴した限りでは随分カヒミカリィっぽい歌い方になってた…Jimの差し金?)。
誰か誕生日プレゼントに買ってくれないかなー。笑